両親からのあいさつ

命を救う為、残された唯一の道、肺移植手術をどうか受けさせてください。

この度は、私たちの娘の涼香(すずか)を救う為に、たくさんの方々にご尽力を賜り、誠にありがとうございます。特に、「すずかちゃんを救う会」を立ち上げて下さった有志の皆様、活動に協力して下さる皆様に、心から感謝申し上げます。
 
私たちの娘の涼香は、平成26年11月21日に双子の姉として、妹の清香(さやか)と共に生まれてくれました。少し小さく生まれましたが、生後2ヶ月まで、2人とも元気に過ごしていました。しかし、妹の清香が生後2ヶ月を迎える頃から、体重が増えなくなりました。数日後、ミルクを全く飲まず、ぐったりした様子になり、慌てて病院に連れて行きました。そして、何度か病院の受診を繰り返したところ、重度の心不全を起こしていることがわかり、国立循環器病研究センターに、救急搬送されました。明日の朝を無事に迎えることができるかもわからないほどの、危険な状態でした。翌日、検査を受け「進行性の肺静脈狭窄に伴う重症の肺高血圧」と診断されました。人工呼吸器に繋がれた娘を見て、現実を受け入れられない状態の中、医師から、この病気には有効な治療法はなく、完治はしないと言われました。双子の為、涼香のことも心配になった私たちは、急いで検査を受けさせました。涼香は同じ病気ではないと安心したくて受けた検査のはずでしたが、症状の差はあれど、同じ病気であることがわかりました。ここから、先の見えない過酷な闘病生活が始まりました。
 
先生方も世界中から症例を探しながら治療を考えてくださり、治療を続けましたが、妹の清香は、生後7ヶ月の頃から、さらに病状が悪化していき、主治医から「清香ちゃんの限られた残りの人生を、どう過ごさせてあげたいか考えてください。」と宣告されました。もはや清香の命をつなぐ方法は、今すぐに移植をする以外にはありませんでした。そして、9ヶ月の闘病の末、肺高血圧の発作を起こし、わずか生後11ヶ月の時に亡くなりました。臓器移植ネットワークに心肺同時移植の登録が認定された翌日のことでした。
 
清香の病気が進行していくのを見る一方で、涼香の状態は安定しており、一時は、もしかしたら涼香は病気と付き合いながらでも、このまま成長していけるのではという状態にも見え、私たちも、そう信じていました。しかし、11月に入り、心臓の負担を表すBNPが上がり始め、急速に病気が進行し始めました。
今、涼香は、高濃度酸素の吸入、強心剤の点滴や内服の投薬治療を続けていますが、肺動脈圧が上がり続け、右心不全が進行しています。心臓も限界に近づいており、いつ肺高血圧の発作を起こすかわからない危険な状態にあり、一刻も早い移植が必要です。残された時間は、限りなく短いのが現状です。
 
この限られた時間で、国内で移植を受けさせていただける可能性が、極めて低い現状を知り、私たちは海外渡航での移植手術に、涼香の命を託すことを決断させていただきました。
 
今回、先生方のご尽力により、アメリカのシンシナティ小児病院様で、涼香を受け入れていただけることになりました。しかし、海外渡航での移植手術にかかる費用は、私たち家族だけではとても負担できる金額ではなく、誠に勝手なお願いではございますが、涼香の命を救う為には、皆様の善意にお願いさせていただくしかございません。
 
私たちは、涼香と清香の頑張っている姿を、ずっと見てきました。ごくごく平凡な当たり前の日々からあまりにも遠い場所で、小さな小さな身体で毎日、本当に一生懸命頑張っています。言葉にならない光景です。だから、どうしても、清香のためにも涼香を助けたい。娘の頑張りに何としても応えてあげたい。ベッドの上以外の世界を、何としても見せてあげたい。
 
どうか、皆様のお力をお貸しいただけませんでしょうか。涼香に、未来を、生きるチャンスを与えてあげていただけませんでしょうか。残された短い時間が、こく一刻と迫る中、誠に勝手極まりないお願いをさせていただいておりますことは、重々承知しておりますが、どうか皆様のご支援とご協力をいただくことはできませんでしょうか。何卒、よろしくお願い申し上げます。
 

2016年5月 金田 誠博・香織

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左が妹の清香ちゃん、右が姉の涼香ちゃんです。ともに生後5ヶ月の様子です。