【両肺移植手術を受けさせていただきました】2016年09月22日

2016年09月22日

術後すずかの容態が落ち着かなかった為、私達からのご報告が遅れてしまいましたこと、お詫び申し上げます。
本当に申し訳ございませんでした。

気管支鏡検査を実施し、つい先ほど、
人工呼吸器から抜管させていただきました。
まだまだ血液検査結果一つにもドキドキする日々ですが、肺・心臓・腎臓・浮腫み共に全体的に、少しずつ前進してきてくれております。
どうか、まずは自力呼吸がしっかりできる様にと、回復を願う日々です。

以下、両肺移植手術のご報告をお伝えさせていただきたく存じます。
様々な思いあり、長くなり大変申し訳ございませんが、
どうかご一読いただけますとありがたく存じます。

9月9日のお昼過ぎ、「もしかしたらドナー様が現れたかも知れない。」と報告を受け、夕方「ドナー様が適合すると判断したので、 今晩から両肺移植手術を開始する。」との報らせを賜りました。

この時を切望して、皆様に多大なご支援賜り、渡米させていただきましたので、勿論嬉しい気持ちと感謝の気持ちが込み上げました。

同時に、さやかを亡くしたあの日と同じ状況におられるドナー様とご家族様がいらっしゃってはじめて、移植手術を受けさせていただけるという事実を深く受け止めました。
ご家族様が今、当時の自分達と同じ心境にあられると考えると、胸が張り裂けるなんてものではなく、とても言葉に出来ません。
想像を絶する、どれほどの堪え難い悲しみと苦しみの中、今回の決断をしてくださったのか。

移植手術を切望している立場上、理解していたつもりですが、やはり言葉に出来ない感情が、強く胸を締め付けます。
その上に生かせていただいている事実を、私達は決して忘れません。
ドナー様とご家族様に心からの敬意と哀悼の意を表します。そして、心からご冥福をお祈り申し上げます。
想いを深く胸に刻み、ドナー様より賜りました大切な肺を、心から大切にし続けることを強く誓います。

移植手術は、9月9日22時過ぎより始まりました。
娘ほど小さな身体に対する人工肺装着自体が2例目であり、その状態での肺移植手術は、初めてになるということでした。

本来、新しい臓器の現物を確認して大丈夫と判断してから手術に入ります。
しかし、すずかの場合、人工肺を装着している都合上、
それでは手術が上手くいかない故に、大丈夫だと信じて、現物確認する前に手術を開始するという異例の事態に加えて、本来肺移植は、肺と心臓を繋ぐ血管に新しい肺の血管(肺静脈/肺動脈)を繋ぎあわせるのが一般的ですが、すずかの場合、肝心なその血管の大部分が閉塞しているため、こちらも異例の事態となることより、極めてハイリスクな手術になると説明を受けましたが、最高の技術と熱意を尽くしてくださった医療関係者皆様のご尽力のおかげで、
約16時間という大手術を終えて、
すずかは、無事に帰ってきてくれました。

すずかの病気が急速に進行し始め、止める術が無く、これからさやかと同じ道を辿ると告げられた昨年12月。
同病状での海外渡航移植も前例が無く、何一つ全く見えなかったあの時には、渡米して両肺移植手術を受けさせていただきました今日を想像することなど出来ませんでした。すずかまでも守れずに失ってしまう恐怖にずっと怯えていました。

私達夫婦だけでは、「娘を救いたい。」と強く強く想えど、あまりにも非現実過ぎ、壁は高くて見えなくて、全てを差し出しても力が足りませんでした。
そんな時、皆様がいてくださいました。

娘の命がかかっている極めて重い身勝手な私事に迷うこと無く手を挙げてくださり、娘の命を共に背負ってくださった共同代表様。救う会役員皆様。
大切な休日のお時間の中、毎週末全国各地ですずかを救うために悪天候炎天下の中、声を枯らし頭を下げて街頭募金活動にご協力してくださり/募金箱を設置してくださり/周知活動をしてくださった救う会有志皆様。
すずかのために涙を流してくださった皆様。
お手紙やプレゼントを贈って下さいました皆様。
救う会立ち上げから活動おいて、強くお力添えくださいました活動支援団体様。
団体として募金活動に取り組んで下さいました皆様。渡航手配業者様。 報道関係者様皆様。
大切な剰余金を寄付して下さいました他救う会様。
すずかのために大切なお金を募金してくださり、様々な形で支援してくださいました全国の皆様。

大切なお時間とお金を割いてまで尽力くださり、すずかと私達を想ってくださり、アメリカに導いてくださった全ての皆様。
特にすずかの場合、早期に渡米させていただけたことが、本当に大きなターニングポイントになりました。

懸命に命を繋ぎ、すずかをアメリカに到着させてくださいました日本医療関係者皆様。他国であるすずかを全力で救い、何度も山を越えて、初となる移植手術まで導いてくださいましたアメリカ医療関係者皆様。
アメリカでの私達の生活を支えてくださるシンシナティ日米協会様、ボランティア支援の皆様。
募金活動中から現在まで変わらず、いつも強くあたたかく想いを重ねてくださる皆様。

そして、ドナー様とご家族様。

心から深く深く感謝申し上げます。
本当に本当にありがとうございました。

すずかが生きて、私達と一緒にいてくれる今日という日々は、皆様が叶えて下さいました何よりも尊い日々です。
皆様が「導いて」下さいました。
ドナー様とご家族様が「繋いで」下さいました。

そのことを生涯胸に刻み、
親として人としてまだまだ未熟な私達ですが、
すずか・さやか・ドナー様3人の子を授けていただいた親として、これからどんな事があっても3人を大切にして、全てをかけて守り抜き、親として人として正しく生きていくことを誓います。

すずかは、これからまだまだ越えていかねばならない壁が多くありますが、きっと3人で全てを乗り越えてくれると確信しています。
私達は、それを全力で支えていきます。

大変、身勝手なお願いばかりで恐縮ではございますが、引き続き、お心添え賜れますとありがたく存じます。

生涯を通しても返しきれぬほどの物を与えて下さいました皆様には、いくら感謝の言葉を並べても、とても足りず、本来ならお1人様お1人様に頭を下げ、心からの感謝御礼をお伝えさせていただきます事が、最低限の礼儀にも関わらず、この文書にて取り急ぎの感謝御礼とさせていただきます無礼、何卒お許しください。

病状に伴う募金活動期限から渡航、到着してから移植手術まであらゆる場面全てで、「今までで一番難しい。前例ない。」と言われ続けてきましたが、その全ての場面において、みなさまが「奇跡」を与えてくださいました。本当にありがとうございました。

娘の命を助けて下さいまして、本当に本当にありがとうございました。

2016年9月21日
金田誠博 香織

※写真のピンククッションは、肺の形をしています。
病院様から、両肺移植手術記念で頂戴致しました。
%e4%b8%a1%e8%82%ba%e7%a7%bb%e6%a4%8d%e6%89%8b%e8%a1%93%e8%a8%98%e5%bf%b5